名コース「黒菱」での種目が復活! 他にも「ウサギ平」や「ソデグロ」といった難易度の高い斜面設定で、選手たちのパフォーマンスレベルもさらに引き上げられそうだ
これまで定番となっていた不整地・小回り種目が、不整地での「フリー(自由演技)」種目に!
不整地を大回りで滑り込むなど、スペシャルランが飛び出す可能性も高い
長年継承されてきた5審3採のジャッジシステムにメスが入れられた。
新たに導入される5審5採のジャッジシステムが、大会全体にどのような影響を及ぼすことになるのか
昨年、節目となる第55回大会を終え、いよいよ平成最後の技術選がやってくる! 今大会は注目すべき点が目白押しだ。
まず、会場が北海道・ルスツリゾートから、長野県・白馬八方尾根スキー場に移される。技術選の聖地と呼ばれる同地では、これまで数々の名勝負が繰り広げられてきたが、今年はさらに熱い戦いが期待できそうだ。その理由が、ここ数年の八方尾根大会では使用されてこなかった「黒菱」ゲレンデが、予選2種目の使用バーンとして予定されていることだ。予選とはいえ、全国の地区予選を勝ち抜いてきた猛者たちが、国内屈指の名コースでどんな滑りを見せてくれるのか楽しみだ。
準決勝以降では「ウサギ平」、「ソデグロ」という八方尾根が誇る急斜面で、2つの大回り種目が予定されていることにも注目したい。過去の2大会では、大回り種目で使用されるバーンの斜度がそれほどきつくなかったことから、本来の力を発揮しきれなかった選手たちもいたように見受けられたが、今大会では、バーンを切り裂くような高速ロングターンが見られるはずだ。
また、男子の上位30名、女子の上位15名による「スーパーファイナル(SF)」が、新たな設定で行なわれることもトピックスの一つだ。これまでのSFといえば「コブ」、つまり不整地の小回り種目が定番となっていたが、今年は「フリー(自由演技)」として「ウサギ平」の不整地を含むバーンで予定されている。大回りでも小回りでもよし、はたまた大小さまざまなターンを織り交ぜて滑ってもよし。最終順位が決まる一本での、選手たちの選択やパフォーマンスに注目したい。
さらに、もうひとつ大きな変更点としてクローズアップしたいのが、「5審5採」と「100点満点制」のジャッジシステムの採用だ。1月号でも触れたが、これまでの5審3採方式から、上下カットなしの5審5採に変わり、300点満点を改め、100点満点で得点が表示されるとのこと。方法としては上の計算例のように、5人のジャッジが各々100点満点の持ち点で評価した、それぞれの点数の20㌫を小数点第1位まで採用。その5名分として100点を満点として表示されるという。「285ポイント!」という響きに慣れ親しんだファンには少々寂しさもあるが、新たな一歩を踏み出すことになりそうだ。
北海道で盛り上がりを見せる「全日本ジュニアスキー技術選手権大会」が、次代のヒーロー・ヒロインを担う有望選手たちを次々と輩出し、新たな時代の到来を予感させる技術選。果たして第56回大会では、どんな選手が現れ、どんなスペシャルランが見られるのか。
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