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目指せ1級!
用具を活かして検定合格

ここでは、バッジテスト1級合格のために必要な技術的要素と、用具のパフォーマンスを引き出し、滑りをレベルアップさせるコツを紹介する。
検定種目に対応したトレーニングとともに、ぜひ参考にしてもらいたい。

級別テスト1級

実技種目(斜面設定)

  • パラレルターン 大回り (急斜面 ナチュラル)
  • 基礎パラレルターン 小回り (急斜面 ナチュラル)
  • パラレルターン 小回り (中急斜面 不整地)
  • 横滑り(急斜面 ナチュラル)

評価の観点

  • 状況、条件に対応して滑る能力
    • ターン運動の構成(ポジショニングとエッジング)
    • 斜面状況への適応度(スピードと回転弧の調整)
    • 運動の質的内容(バランス、リズム、タイミング)

今回使用したスキー
VöLKL RACETIGER SC DEMO

フォルクル : レースタイガーSCデモ

  • サイズ:165cm
  • サイドカット:123-70-103mm
  • ラディウス:13.0m

ラディウス=13m(165cm)のショートラディウスモデル。ワイドなボディと、トップ部分にロッカー形状が採用されていることで、ターン導入がしやすく、捉えも早いのが特徴。軽量で取り回しがしやすく、かつセンター部分を中心にたわませやすい構造になっており、種目ごとにその特性を活かして滑れれば、1級合格への近道となりそうだ

太谷敏也=解説

(元SAJナショナルデモンストレーター)

おおたにとしや●1982年2月24日、長野県白馬村生まれ。幼少の頃より、競技スキーに没頭。大学卒業後基礎スキーに転向し、2016、2017年の全日本スキー技術選手権大会で男子総合10位を記録する。白馬八方尾根スキースクール所属

実技種目(斜面設定)

パラレルターン 大回り 急斜面 ナチュラル

お手本の滑りスキーのトップで雪面を捉え 円いターン弧を描く

パラレルターン大回りでは、スキーのトップをしっかり雪面にグリップさせて、円いターン弧を描くことがポイントです。十分な落差をとり、トップがターン内側に入ってきた分だけ、テールが外側を通るようなイメージです。このとき、スキーのセンターに荷重し、スキーをたわませます。切りかえでは、たわんだスキーが戻る力を利用して、次の谷方向に向けて重心を移動させます。ターン後半から切りかえにかけて、動きが止まってしまわないように注意しましょう。適度な外向傾をキープして、バランスよくスキーに荷重することが大切です。常に雪面からの圧を引き出しながら、安定感の高いターンを表現します。

TRAINING1

シュテムターンからパラレルターンへの展開

シュテムターンのバリエーショントレーニングです。ターン前半、次の外スキーに荷重しながら、円いターン弧を描きます。スキーを大きく山側に開くことで、重心を次の外脚に移していきます。雪面を捉えてしっかりと荷重したら、タイミングよく、内側を引き寄せましょう。開き出しの量を少しずつ減らしていき、踏みかえのイメージでパラレルへと展開していきます。

TRAINING2

内手を前に、外手を腰にあてる

ターン内側の手を前に出し、外側の手は腰にあてて滑ります。こうすることで、上体のローテーションを防ぐことができます。また、外側の手を腰にあてると、外脚への荷重をより意識できます。ターン中の骨盤は、内側に対して、外側は常に低い位置にあります。これが逆転すると、外脚に十分荷重することができなくなってしまいます。外腰(外側の骨盤)が上がるのを抑えることで、こうしたアンバランスを防ぐこともできます。

用具を活かすポイント

レースタイガーSCデモは、「3Dグラス」という構造を採用していることで、トップから雪面をグリップしやすい特徴をもっています。フレックスも軟らかめで、スキーのたわみを引き出しやすいスキーです。正しいポジションに乗り、このたわみを引き出せると、円いターン弧を描くことが可能となります。また、たわみの戻りを活かすことで、切りかえもよりオートマチックなものとなります。

写真:眞嶋和隆 / 制作協力:揚力株式会社 / 取材協力:MDVスポーツジャパン