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滑るためのオールラウンダーが
犠牲なきスキースタイルをもたらす

DEACON 80(ディーコン 80)
サイズ(㎝):162、167、172、177 / サイドカット(㎜):128-80-111 / ラディウス(m):14.8(167㎝)/ 価格:¥115,000(税別・推奨ビンディング付き)

そつがないけど、そこそこなスキーでは楽しくない

滑るためのオールラウンダーが
犠牲なきスキースタイルをもたらす

オンピステでロングクルーズを楽しみたい、オフピステで自然に溶け込みたい、もっとうまくなりたい……。
多様化するスキーヤーの要求にフォルクルの「ディーコン80」が応えてくれるという。
そんなスキーが本当に存在するのか、2人のプレーヤーがフィーリングを探ってくれた。

谷藤昌司MASASHI TANIFUJI

たにふじまさし●1980年5月15日生まれ、北海道出身。高校3年までアルペン競技に打ち込み、卒業を機にいったんはスキーから離れる。その後、基礎スキーと出会い再びスキーの世界へ。スキー教師として指導に携わると同時に競技会へも参加。SIAデモンストレーター認定6回。現在は道内だけでなく長野や新潟でもレッスン活動を行ない、スキーの楽しさを伝えている

中川康博YASUHIRO NAKAGAWA

なかがわやすひろ●1958年11月15日生まれ、北海道出身。選手として、1980年代に全日本技術選手権大会などで活躍。スキースクール教師をへて現在はMDVスポーツジャパン北海道デモチームコーチ。全日本技術選出場者など多くのプレーヤーを育成し続けている。コーチングの傍ら、時間があればバックカントリーに向かうなど、スタイルにこだわらないスキーを楽しんでいる


オールマウンテンモデルのスキーは、よく言えば雪質やスピード、ターンサイズを選ばない、いわゆるオールラウンド性が持ち味。だが、何でもそつなくこなすが、そこそこの性能という無難な一面もある。そこにはテクノロジーなどによる性能面での犠牲が存在するはずで、ひいてはそれぞれのスキースタイルにも犠牲を強いることになる。

ではフォルクルのオールマウンテンモデル「ディーコン80」はどうなのか。SIAデモンストレーター認定7回、自らもオールラウンドで楽しめるインストラクターを目指しているという谷藤昌司プロは語る。

「センター幅が80㎜と広めのプロフィールですが、重量、操作感ともに軽いスキーです。にもかかわらず整地でロングターンをしてもバタつきがなく、すごくしっかりしています。足下がしっかりしていて安定しているので、パウダーやコブでも不安感は一切ありません。メインのスタイルに対してサイズ選択で対応できるうえ、速い、ゆっくり、切れ、ズレ、すべての滑走がこのスキーさえあればクリアできます。普段デモモデルを使用しているような人が、技術を生かしつつフリーな気分で滑るのに最適でしょう」

幅広のスキーにとってねじれなどに対する剛性を維持したまま、いかに軽量化して操作感を高めるかは命題中の命題と言えよう。フォルクルはこの矛盾する課題に真っ向から取り組み、軽量化についてはビンディング前後から中央部分が盛り上がり、エッジ、また、トップとテールに向かって急激に低く平らになる「3Dリッジ」構造を採用。極めて薄くなったトップとテールのエッジ周辺にグラス層を入れる、「グラスフレーム」で剛性を強化することで、軽量で強いスキーを生み出した。


若手スキーヤーやファクトリーチームのコーチを努める一方、自らもオン・オフ問わずスキーを楽しみ続けている中川康博は、

「現役の頃のようなパワーがない自分にとって、適度なグリップがある中でずらしもできる、動かしやすくて楽なスキーです。3つのラディウスを組み合わせたサイドカットによって、踏み込む量でターン弧がコントロールできる楽しさが味わえます。ビンディングの高さが従来モデルより10㎜低く雪面に近い『iPTローライドXL』システムなので、スキーのたわみがわかりやすく、挙動、反応が非常に感じやすいですね。私のような年齢の方が、経験を生かして滑るにはもってこいでしょう」

「ディーコン80」の登場によって、どんなコンディション、シチュエーションでも自分のスタイルを犠牲にすることなくスキーを楽しむことができそうだ。


文:眞木 健 / 写真:鈴木馨二(ホワイトデポ)