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挑戦者として「ガチでやるから面白い」
Ryu Takeda + Jeep Go Anywhere,Do Anything

アルペンレーサーとしての血を色濃く残したまま、かたちも感覚も変えることなく、
技術選という異なる競技の頂点に立った武田竜。
スキー界で今最も注目される男は、目前に迫った技術選の連覇、
そしてその先の挑戦を見据えている。
今シーズンより相棒となったJeepとともに。

今シーズン、武田竜としてのテーマはどんなことになりますか。

武田今、変化しつつある技術選のトップランカーとして、この勢いのままやっていくことですね。自分がキーマンとして新しいものを表現して、時代を先導していきたい気持ちがあるので、そのためにも大会では1番で、常に注目される位置にいることが必要だと思っています。そういう意味でもブレずにやり続けることが大事かなと。きっと技術選も変化がなければ面白くないだろうし。

具体的にはどんな変化を起こしたい?

武田新しい選手たちがもっと入ってきて、誰が勝ってもおかしくないような環境にしていきたい。そのためには、もっとアスリート化されたほうがいいなと思います。技術選は日本一を決める場所。本気で挑まないと出る意味がないし、ギャラリーもそういう本気で頑張っている姿を見て、いろいろなことを感じてくれるだろうし。勝負って誰が勝つのかわからない緊張感のなかでやるものだと思うから。大会に出ている以上はアスリートとして挑戦する姿勢は失っちゃいけないと思うし、何よりもそのほうが応援してくれる人たちも楽しめると思う。

あなた自身、アスリートとして勝負をする舞台だと捉えているのですね。

武田はい。勝ちたいからいろいろ考えて体づくりをするし、技術を向上させるためにトレーニングもするし、いろいろなことを学んでメンタルも鍛えていく。勝つために、目標をクリアするために、何をすべきか逆算して考えて取り組んでいます。もちろん、レジャーや健康のためにスキーをするという志向も理解しているけど、俺が今やっているのは、10年ぐらいの短い時間でどこまで本気で取り組めるかなので。

国体出場を前にして、ポールトレーニングにも積極的に取り組んでいた武田。
相棒・ラングラーの広いラゲッジルームにはGS用のスキーも収納可能だ


勝つためのフィジカル・技術・メンタル

フィジカルについてはどのようにトレーニングを積んでいるのですか。

武田今は、アルペン競技の現役時代よりも体を強くするというより、そのときの強いフィジカルを維持するような意識でトレーニングをしていますね。スキーで大事なのは、お尻・ハムストリングス・腹筋・体幹回りなどの筋肉なので、そのあたりを徹底的にやっています。

技術についてはどうでしょう。

武田参戦当初は周りの滑りに寄せようとしたこともあったけど、自分の滑りのスタイルを貫いたら結果が出始めたので、それ以降は大きくは変えずにいました。でも、だんだん自分で自分の滑りに飽きちゃって。だから、進化し続けようと思っています。なんていうか、みんなが目指しているところよりも先に行きたいんですよね。ショートターンはすでにそうなりつつあるので、今年はロングで今までとはちょっと違うことをやりたいと考えています。

幼い頃から勝負の世界に身を置いてきた武田。挫折を味わっても這い上がり、常に挑戦者として勝利を柄みにいく姿勢は、チャンピオンになった今も変わらない

メンタルに関しては、何か特別な勉強をしてきたのですか。

武田いいえ、経験から学んだり、自分で考えてやっています。「あの時って、たしかこういう気持ちで滑っていたけど、結果はどうだったかな?」とか思い返してみて、分析して、次の機会では気持ちをコントロールしてみるとか。滑るときには常に緊張はしているんです。でも、緊張している姿を周りに見せないように、ポーカーフェイスでいることが意外と大事だったりするんですよね。良くても悪くても表情を変えないことはアルペン時代から意識していました。

なぜ、そのようなコントロールを?

武田緊張している姿を見せると、周りもそういうふうに見てきて、それでまたメンタルが変わる。アルペン時代には、それでコースアウトしてポイントが取れず、結果的に収入が得られなくなることも経験してきた。結果を左右するのは8割がメンタルだと思う。残りの2割が技術と体力。「これだけやった」という自信がつくまで練習したら、本番はメンタルで決まると思っています。

どちらかといえば、そういう部分は直感的というか、天才肌だと見ていました。

武田けっこう慎重派なんですよ。でも、そういうふうに見せないようにしています。「お前って普段のほほんとしてるのに、なんで本番ではあんなふうに滑れるの?」って言われたときには、「どうしてだろう?」ってかわしつつ(笑)、じつはいろいろ考えて滑っています。


そんな武田は、今冬の活動をジープのラングラーとともに送っている。ジープブランドを象徴するモデルで、野性味を感じさせながらも、モダンに洗練されたフォルムをもち、先進テクノロジーによる安全性能と、機能性の高いインテリアを兼ね備えた世界初のSUVとして知られている車だ。進化を止めることなく飽くなき挑戦を続ける武田にとって、まさに相棒と呼ぶにふさわしい一台と言えるだろう。

ともにシーズンを戦うJeepのラングラー。どこでも、どこまでも走れそうなタフさを連想させるデザインと、穏やかでハイテクな乗り心地とのギャップも魅力だ

ジープ ラングラー アンリミテッド ルビコン
(Jeep Wrangler Unlimited Rubicon)

全長:4,870mm/全幅:1,895mm
全高:1,850mm/最低地上高:200mm
車両重量:2,050Kg/乗車定員:5名/エンジン種類:V型6気筒/総排気量:3,604cc/使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
最高出力:209kW(284ps)/6,400rpm[ECE]/最大トルク:347N・m(35.4kg・m)/4,100rpm [ECE]/後2輪・4輪駆動・オンデマンド方式4輪駆動(選択式)
全国メーカー希望小売価格:¥6,120,000(税込)
問い合わせ:ジープフリーコール
Tel:0120-712-812
https://www.jeep-japan.com

初めてのジープ、印象はいかがですか。

武田ジープってゴツいイメージがあったんです。アメリカっぽいというか。ただ実際の乗り心地はとても穏やかで、高級感があって、それに機能も充実しているなと感じました。長距離の移動も楽しんでいます。

そもそも、なぜこの車を相棒にしようと?

武田やっぱり顔がカッコいいから。とくに最前部の縦のラインが。運転免許を取ったばかりの頃の、いずれ乗りたい車のリストに入っていました。ラングラーはオフロードカーのような雰囲気があるけど、乗ってみると高級感があって、そのギャップもまたいいんですよ。雪道でも安心できて「ジープ、さすがだな」と感じることがよくあります。


そさて、ディフェンディングチャンピオンとして挑む技術選が目前に迫るなか、2月中旬に敢行したインタビューで、あえて今年はどんな結果になるのかを予想してもらった。

本誌の発売は3月10日、つまり技術選の直後です。どんな結果になっているでしょう?

武田まあ、優勝しているでしょう。そのために時間を費やしてきたし、絶対王者になりたい気持ちがあるから、そのつもりで準備をしています。昨シーズンよりもさらにいい状態ですし、マテリアルもかなりフィットしている。だから、見に来てくれた人たちに「武田竜の滑りがよかった」と言ってもらえる滑りができているはずです。

(本記事は3/10発売・月刊スキーグラフィック4月号に掲載されたものです)

文:渡部 麻結 / 写真:木下 健二 / 協力:志賀高原 熊の湯スキー場