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シリーズのレベルを底上げする
エキスパート用オールラウンド「KS-NS」が登場。

技術志向のコアユーザーに向けてオガサカが自信をもって送り出すKEO’Sシリーズ。
ニューモデルは大回りから小回りまで、高速から低速までオールラウンドに対応するエキスパートモデル。
回転弧を特化せず、一台ですべてをこなせるスキーを活用するコツを二人のトップスキーヤーに聞いた。


軽快感を損なわず、安定感、重厚感を追求した「KS‐NS」

OGASAKA KS-NS

  • サイズ/170、165、160、155㎝
  • ラディウス/16.2m(170㎝)、15.2m(165㎝)、14.2m(160㎝)、13.3m(155㎝)
  • サイドカット/112.5-67-96㎜
  • 価格/¥119,900(税抜価格¥109,000)
    SR585付モデル ¥140,800(税抜価格¥128,000)(プレート:日本製/重量〈½セット・ビス重量含む〉:約436g)
    FM585付モデル ¥130,900(税抜価格¥119,000)(プレート:日本製/重量〈½セット・ビス重量含む〉:約418g)
    チロリア PRD 12 GW BK/RD/WT付モデル ¥148,500(税抜価格¥135,000)(ビンディング:オーストリア製/重量〈½セット・Multiflex Pro Base/RD含む〉:1,375g/ソールサイズ調整幅:255~378㎜/DIN値:3.5-12)

お二人とも、今日はじめて「KS‐NS」を履いたとのことですが、第一印象は?

岡田僕は165㎝を履きました。今までの「KS-GP」と比べると、すごく剛性が上がった感じがします。特にセンターからトップ寄りがしっかりしています。オールラウンドモデルですが、ミドルターンからロングターンの安定性が強化されています。スキーが内側に入りすぎないフィーリングがあったので、高速域で乗りやすかったです。

赤松慎さんの滑りは、どんなスキーでもきれいに合わせてくるので、見ていてまったく違和感がなかったですね。私は普段「TC」を履いていることがほとんどですが、今回、「KS‐NS」の160㎝を履いてみて、慎さんと同じようにトップの張りがしっかりしていると感じました。ショートターンも可能ですが、スピードがある中で中回りから大回りをするのが一番気持ち良かったです。オートマチックなスキーではないので、良いポジションを踏んであげることを意識することで、動きの組み立てが正確になりました。自分本位の動きではなく、丁寧にスキーのタイミングに合わせるように対話しながら滑った感じですね。谷回りでトップが内側に入ってくるタイミングを見ながら、どこまで回し込むといいのかをスキーと相談しながら踏んでいく感じで滑りました。

対象となる技術レベルはどのあたりですか?

赤松体格のいい男性なら1級レベルでもいいと思いますが、一般的にはテクニカル・クラウンレベルのスピード域で使ってほしいスキーだと思います。インストラクターのレッスン用としてもいいと思います。

岡田そうですね。「KS‐NS」はレベル的には1級を取ってからのスキーだと思います。技術選地区予選に出ている選手が普段のゲレンデクルージング用に持っていても不満を感じないスキーだと思います。

レベル以外ではどんな志向のスキーヤーにお薦めしたいですか?

岡田「KS‐NS」はオールラウンドということで、これ一台でひと通りこなせます。その中で、ロングターンとミドルターンはある程度スキーが仕事をしてくれるのですが、ショートターンではしっかりとスキーをコントロールできる方にお薦めしたいと思います。もう少し楽にショートターンをしたいなら、サイドカーブがある「KS‐NV」のほうがいいと思います。

ショートターンでのコントロール能力とは具体的にはどんなことですか?

岡田今までよりも剛性が上がっている分だけスキーの強さがあります。ですからサイドカーブに頼りきるのではなくて、しっかりとスキーをたわませてあげることが大切ですね。そのためにはスキーセンターにしっかりと乗るポジショニングが重要になります。それができれば、今まで以上にスキーが動いてくれたり、走ってくれたりするようになると思います。

赤松私はずばり、テクニカル・クラウン受検者にお薦めしたいです。検定種目には大回り系種目もあるので、ロング、ミドルターンで安定性のある「KS‐NS」がちょうどいいと思います。コブ斜面も滑りましたが、張りは強いけれども、サイドカーブがキツくないので引っかかる感じもなく、ずらしも楽にできて滑りやすかったです。

「KS-NS」は大回り系種目が多いテク・クラ検定を一台で攻略するのに最適

Kaori AKAMATSU

あかまつかおり●1988年生まれ。山形県出身。山梨県スキー連盟所属。2021年全日本スキー技術選手権大会総合13位。元SAJデモンストレーター

ミドルターン用の「TC‐MT」と「KS‐NS」を比べると、どのような違いがありますか?

赤松「TC」はターン弧に特化している設計なのでロングターン用の「TC‐LT」、ミドルターン用の「TC‐MT」、ショートターン用の「TC‐ST」と使いわけているのですが、「KS‐NS」はオールラウンド用として設計されているので、一台でどんなターン弧でも自在に描くことができます。

ミドルターン用の「TC-MT」とオールラウンドの「KS-NS」の違いはどんなところですか?

赤松「TC-MT」のミドルターン用というのは、ショートターンも含めたオールラウンド用のスキーというよりはミドルからロングターンに寄せた性格なんです。「TC-LT」ではちょっとオーバースペックと思う方がロング用として履くことも多いです。

岡田カービング要素を求めるなら「KS-NS」、ずらしたりコントロールしたりするオールラウンド向け「TC-MT」という感じですかね。


「ケオッズ」シリーズの新たな方向性を示唆する考え方

「KS-NS」の新しさはどんなところにありますか?

岡田スキーヤーが細かい操作を意識しなくても、スキー任せである程度のターンができてしまうスキーは、オートマチックな印象がありますが、自らが操作をしてターンの質を高めていこうという上達志向のスキーヤーにはマッチしない部分もあります。今までのケオッズは、そういうところを考慮して自分で操るスキーという印象でした。しかし、「KS‐NS」は少しオートマチック感をプラスしていて、程よいバランスになっているのが持ち味であり、新しさだと思います。

自分でスキーを操る感覚と
オートマチック感が程よくバランスしている

Makoto OKADA

おかだまこと●1984年生まれ。新潟県出身。新潟県スキー連盟所属。2021年全日本スキー技術選手権大会総合16位。SAJナショナルデモンストレーター

一般スキーヤーへのスキー選びのアドバイスをお願いします。

岡田用具の性能を引き出して、そのスキーヤーに合った回転弧を出せるスキーが理想だと思っています。自分の滑走スピードとスキーの対応スピードがマッチしていることが大切ですね。

赤松私は自分のレベルより少し高いスキーを履いてもらうのがいいと思っています。自分のレベルより低いスキーを履くとスピードが上がらなくなってしまうんです。向上心を持ってレベルを上げていきたい方なら、少し背伸びするくらいのスキーがちょうどいいと思いますね。あとは、日本のスキーヤーはショートターン系のスキーが好きな人が多いので、サイドカーブがあるスキーで大回り、つまり回りやすいスキーを回らないように滑ってくることが多くなるのですが、それは見ていても結構つらいですよね。だったらサイドカーブが、少なめのスキーを履いたほうがいいかな。

ありがとうございました。

写真:金子雄爾 / 文:高橋達夫 / 写真撮影協力:志賀高原リゾート開発株式会社、スポーツホテルシルバー志賀