ワールドカップレーサー、技術選プレーヤー、そしてSAJナショナルデモンストレーターとして活躍した佐藤久哉と岡田利修。
彼らエキスパートたちの足元を、2021シーズンから新たなギアが支えている。
レクザムとストックリーのハイスペックギアのフィーリングをどう受け取ったのか。
ハイスペックな2人のハイスペックな対談をお届けする。
佐藤利修はR-EVOシリーズからレクザムを履いているけど、使ってみた印象は?
岡田最初に手にしたとき、「軽い」って思いました。これまで同様にブーツを持つ感覚で持ったら、天井に着いちゃうんじゃないかと思うくらいスッと持ち上がったんです(笑)。
佐藤それは言いすぎじゃない?(笑)
岡田いいえ、本当に軽いんです。足との一体感があるから、履いたほうが余計に軽く感じると思います。また、「軽さ」と「安定感」という、相反する要素が両立されていて、非常にバランスの良いブーツだと思います。
佐藤僕は普段、R-EVO130Mを使用しているけれど、たしかに足との一体感はすごくあって、しかもオートマチックに足幅を調整する「AUTO-FIT」システムのおかげでチューンナップをせずにそのままいけちゃう。
岡田アッパーシェルの高さも含めて日本人に合っていて使いやすいと思います。足首が入ったら膝と股関節も自然と曲がってくれますね。
佐藤滑ったときのフィーリングは?
岡田実は履く前のウワサで、レクザムのブーツは硬いって聞いてたんです。でも実際にR-EVOを使ってみたら、むしろしなやかで動きやすいフィーリングを感じましたね。
おかだりしゅう●1978年生まれ。北海道出身。小学生でアルペン競技を始め、東海大四高3年の時に世界ジュニア選手権に出場。ナショナルチーム在籍中はワールドカップを転戦し、2005年のフラッハウSLので24位。06年ボルミオ世界選手権SLで23位を記録。引退後は技術選に挑戦し12年より全日本ナショナルデモンストレーターを2期務める。J SPORTSのワールドカップ解説者や、コーチとして精力的に活動を続ける
佐藤確かにハードな印象のときもあったね。でもR-EVOになってからはしなやかで、雪面コンタクトがすごくできるブーツに仕上がったって感じた。サスペンション機能みたいなものがあって、ターン前半から吸い付いて後半も暴れることがない。雪面コンタクトを逃がさないから、レースでもタイムが出るんじゃないかな。
岡田スキーもたわむんですが、ブーツと併せた全体のたわみを感じます。それも前後方向だけじゃなくて、左右のトーションもしっかりしていて、総合的な感覚で張り付いていくような感覚があります。弾かれて一回浮いたスキーが雪面に着地することで、エッジングが強くなったり抵抗を大きく受けることになります。でも、吸い付いていくことで雪面からの圧をコントロールしながら抵抗を減らせるので、タイムにはつながりやすいと思います。
佐藤エネルギーを蓄えて、それを推進に変える力があるから、ロングターンの前半で捉えた後に踏み込むとエネルギーをもらえるし、踏み込まなければ雪面とコンタクトしたまま調整できる。ターン前半の調整がしやすいと思うんだよね。
岡田長いターン弧を見せられますよね。小回りでも、前半で雪質やスピードに合わせたところにブーツを持ってこられるから、スキーの反応も得やすいです。リバウンドのエネルギーを次につなげるので、良いリズムが作れそうです。操作性というか、スキーを自在に操れるブーツという印象です。
佐藤コブもうまくなっちゃう。
岡田実際、R-EVOを履いてからコブがうまくなりました!
佐藤利修も僕もストックリーを履くのは初めてだよね。
岡田競技のイメージが強くて、手ごわい印象がありました。でも履いて感じたのは、逆にしっとり感です。どのモデルも推進力があり、スピードを出してもそれを感じさせない安定感があって、まるで高級車に乗ってるような。
さとうひさや●1972年生まれ。青森県出身。14歳でナショナルチーム入り。全中、全日本選手権、国体など数多くのタイトルを獲得。世界ジュニア選手権、雫石世界選手権代表。引退後は技術選に転向し、第42回、第43回と連覇。全日本ナショナルデモンストレータを6期務め2010年に引退。全日本アルペンユースコーチやデモヘッドコーチを歴任する一方、ママミキーキッズスノースクールの経営など幅広くスキー普及活動を続けている
佐藤暴れないよね。僕もこれまでのイメージからガラリと変わって、高性能ゆえの難しさとか手ごわさは感じなかった。いろいろ履いてみた中で一番気に入ったのはLASER SL。もちろんフルカービングもできるけど、操作性が良いから急斜面でもテールをうまくコントロールしながら滑れる。コブの中でも操作性が高いので、縦目にも円く描くのも自在にできて滑りの幅も広がると思う。
岡田僕はいろいろ履いた結果、LASER SCがお気に入りです。170㎝でラディウスが14.9mなので、ロングやミドルはぜんぜん問題ないですし、バランスが良いからコントロール性の高いショートがやりやすかったです。浮力もあって、雪が悪くなってもトップが浮いてくるイメージがありました。スピードと技術を持ったスキーヤーは楽しめると思いますよ。
佐藤皆さんにお伝えしたいのは、ラインナップの豊富さ。日本の雪質に対応した基本性能をベースに、1級を目指すスキーヤーに向けた操作性を重視したモデルや、プライズを目指すスキーヤーに向けた、安定性やグリップ力を重視したモデルなど、様々な滑りやシチュエーションに対応した充実のラインナップが魅力だと思います。
岡田競技のトップモデルもあればセカンドレーサー、一般の基礎スキーで使えるモデルもあるので、志向やレベルで幅広い選択肢があります。一人でも多くのスキーヤーの皆さまにストックリーの魅力を体感していただきたいですね!
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