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「テラス構造」搭載のマルチなオールラウンダー
「KS-ES」がデビュー!

技術志向のスキーヤーから熱い支持を得ているオガサカの「KEO’S」シリーズ。剛性と操作性を両立すべく開発された「TERRACE(テラス)構造」を搭載し、2022/23シーズンにデビューする「KS-ES」の実力を二人のトップスキーヤーが探る。

OGASAKA

KS-ES/BK/RD

●サイズ/170、165、160、155cm

●ラディウス/16.0m(170cm)、15.0m(165cm)、14.0m(160cm)、13.0m(155cm)

●サイドカット/116-69-98.5mm

●価格/¥129,800(税抜価格¥118,000)

  SR585付モデル ¥150,700(税抜価格¥137,000)
(プレート:日本製/重量〈1/2セット・ビス重量含む〉:約436g)

  FM585付モデル ¥140,800(税抜価格¥128,000)
(プレート:日本製/重量〈1/2セット・ビス重量含む〉:約418g)

チロリア PRD 12 GW BK/RD/WT付モデル ¥159,500(税抜価格¥145,000)
(ビンディング:オーストリア製/重量〈1/2セット・Multiflex Pro Base/RD含む〉:1,330g/ソールサイズ調整幅:255〜378mm/DIN値:3.5-12)

新開発「テラス構造」採用で操作性を犠牲にせず剛性向上

—— 今回、お二人は「KS—ES」ではじめて滑ったとのことですが、第一印象はいかがでしょう?

徳竹 今日はザラメ雪が凍った感じのコンディションで、朝イチはアイスバーンでした。僕がふだん履いているコンペティションモデルのTCシリーズは、ハイスピードでも切れを出していくスキーで、ターン導入部も後半もターン内側にスキーのトップが切れ込んでくる感覚があります。そのイメージで滑ってみると、サイドカーブの違いもあると思いますが、ターンの入り口でスキーが内側に入り過ぎないので操作の自由度が感じられました。また、ターン後半も切れ上がってくる挙動は強くなく、フォールライン方向に抜け出していくのが楽でした。

鈴木 僕もターン前半で切れ込んでくる印象はありませんでしたが、捉えたところからはしっかり圧を伝えられましたし、最後にはスキーが切れてくる感覚がありました。ターン前半ではしっかりした操作性があって、スキーが下を向く局面に合わせて切れてくるスキーという印象です。

 

——「KS—ES」は、トップ、センター、テールと、スキー全体に少しボリュームを持たせたようです。スキーのプロフィールが変わったことから、なにかフィーリングを得ましたか?

徳竹 スキーのプロフィールが116—69—98・5㎜と少しだけボリュームが出て、浮力も感じられました。

鈴木 ボリュームが出たことで、足元の安定感が増して、ターン前半からスキー全体で捉えやすくなりました。それにスイートスポットが広くなって、もちろん前後バランスに気をつけながらですけど、いろいろなポジションで乗れる印象です。アイスバーンからザラメ、雪が少し荒れた状況などいろいろな条件で、しっかり切れながら滑ってくれるスキーだと思います。「ケオッズ」シリーズはテクニカルなオールラウンダーの位置づけですが、さらにマルチなオールラウンダーと言って良いのではないでしょうか。

 

—— ロングターン、ショートターン、それぞれ違うターン弧でのフィーリングはどうでしょう?

徳竹 ロングターンでは切れすぎず、ズレを使った滑りもしやすかったですね。雪が硬くてスピードが出やすいコンディションの時間帯でも足元の不安は全く感じませんでした。サンドウィッチ構造の特徴である、剛性が高いことの現れだと思います。

鈴木 ショートでは切れ込み過ぎないので、回旋運動やずらしをうまく使って、コントロールしながら滑れますね。同様に、コブでもとても操作性が良かったですね。オガサカ伝統の操作性の良さを改めて感じました。

徳竹 僕もショート系では、同じようなフィーリングを感じました。サンドウィッチで剛性が高まっているのに操作しやすいのは、新しく開発された「テラス構造」が有効に働いているからだと思います。

鈴木 スキーを手にしたときに、エッジに近い両サイドが薄くて中央部が厚かったので、「これはなに?」と瞬間的に思いました。

徳竹 気づいちゃいました? それが「テラス構造」です。中央が厚くてサイドが薄い構造で、操作性を犠牲にしないで剛性を高めているんです。

アイスバーンでもしっかり捉えられるし スキーが下を向いたところから切れてくれる

Daichi SUZUKI

すずきだいち●1997年2月13日生まれ。北海道小樽市出身。2022年全日本スキー技術選手権大会総合24位。自己最高は2018年の18位。薬剤師兼スキーヤーとして活動中

プライズテストや指導員検定を1台でこなせる クルージング目的にも楽しいマルチなスキー

Go TOKUTAKE

とくたけごう●1979年12月10日生まれ。長野県山ノ内町出身。2006年全日本スキー技術選手権大会総合10位。2019インタースキー日本代表。SAJナショナルデモンストレーター7期認定

1級以上の検定はもちろん クルージングやカムバック組にも

—— 技術的にはどんなレベルのスキーヤーに向いていますか?

徳竹 カービング一辺倒の志向ではなく、回旋やずらしの技術を使えるスキーヤーなら、「KS—ES」の特性をうまく引き出せると思います。そう考えると、1級レベルでこれからテクニカル、クラウンへステップアップしていこうというスキーヤーに向いていると思います。

鈴木 操作性が良いので、操るという点では準指導員や指導員の方のレッスン用としてもいいと思います。

徳竹 たしかに、プルークもシュテムもやりやすいので、プライズ検定だけではなく、指導系の検定にもいいでしょうね。

—— 検定、指導の現場以外では、どんなスキーヤーにおすすめできますか?

徳竹 カチッとホールドしたらギューンと切れ込んでくるスキーは、その瞬間は気持ちいいんですよね。でも、ターン全てがそんな感じだったら、やはり疲れてしまうと思います。「KS—ES」はカービングも気持ちいいですし、カービングしなくても気持ちいいので、疲れ知らずでクルージングを楽しむのに向いているのではないでしょうか。上級者という条件付きですが、雪質のコンディションだけでなく、スキーヤーの志向に対してもマルチなオールラウンダーだと思います。

鈴木 もともとスキー経験者で、仕事や家庭の事情で一定期間スキーから離れていた人が、スキーを再開する際にも使いやすいと思います。いきなり「TC」シリーズではカービング要素が強すぎるので、ずらすという操作もできる「KS—ES」は選択肢としてお薦めできますね。

——プレートも含めて、スキー選びのアドバイスをお願いします。

徳竹 今回は剛性の高い、「SR585」というプレートを搭載したスキーで滑りました。プレートの効果もあって足元のバタつきもなく切れるターンを楽しめました。体重は70㎏ですが一般スキーヤーよりはパワーがあるので、そんなフィーリングなのかもしれません。一般スキーヤーのパワー、体重が軽い人にとっては少し強い印象を受けるかもしれませんので、「FM585」というしなやかなタイプのプレートを選択してもいいかと思います。

鈴木 一般の女性やシニアの方が使うなら「FM585」がいいのではないでしょうか。例えば徳竹さんと僕は、体重は同じですが年齢は違います。年齢ではなく、どれだけの力をスキーに働きかけられるかで、しっかりタイプ、しなやかタイプと選択が異なってくると思いますね。

徳竹 コラ!(笑)。ビンディング直付けのコンプリートモデルも軽くてお薦めです。でもマルチなオールラウンダー「KS—ES」1台でオールシーズンを滑るなら、プレートはつけた方がいいのかなと思います。足元が高いと沈みやすい春先の雪でも角づけの角度を出しやすいので、カービングターンもしやすくなるはずです。

——ありがとうございました。

写真:金子雄爾 / 文:眞木 健 / 撮影協力:志賀高原リゾート開発株式会社