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サロモンフィットが選ばれる理由

長いブーツ開発の歴史の中で、サロモンが徹底して貫いてきたこと──
それは、「フィットさせる技術」の際限なき追求だ。
新たなテクノロジーの登場で、これまで以上にフィットするブーツへ。
来季モデル「S/PRO ALPHA」の実力を探っていこう。

究極のカスタマイズ技術でストレスから解放する

足元にかかる一切のストレスを取り除き、スキーヤーのパフォーマンスをどこまでも上げていく──。サロモンブーツの進化の歴史は、まさにこの「フィット感」を追求してきた足跡といっていい。

シェルを熱成型して足型に合わせる「カスタムシェル」、そして、同じく熱成型によってブーツインナーをジャストフィットさせる「カスタムフィット」。サロモンは、このカスタマイズする技術を徹底的に進化させてきた。

このことで、克服した課題は二つある。一つは、親指や小指の付け根が当たる「前足部」の問題、もう一つは、「くるぶしまわり」の当たりの問題だ。独自のテクノロジーで、スキーヤーをストレスから解放し、誰が履いても心地よいブーツを作り上げてきたこと  ──  それが、サロモンブーツが長く世界中の人々に選ばれ、愛用されてきた最大の理由といえるだろう。

そのサロモンが、さらなるブーツの快適性を求めて、その先にあるもう一つの課題の克服へと乗り出した。それは、多くのスキーヤーを苦しめてきた、「甲が当たる」という悩み。これまでなかなか有効な解決方法がなかったこの課題を克服することで、サロモンフィットはいっそうの進化を遂げることに成功したのである。それが、来季のニューモデル「S/PRO ALPHA」だ。

甲の当たりを克服する新たなテクノロジーを開発

実は、「甲の当たり」というのは単に痛みが出るだけではなく、別の大きな問題をはらんでいる。甲の出っ張りを形成する骨を「」というが、この骨の周囲には、多くの血管や神経が通っているからだ。もし過度に圧迫してしまうと、苦痛が生じるのみならず、スキーヤーのパフォーマンスにまで大きく影響してしまう。それにも関わらず、なかなか解決できなかったのは、楔状骨の位置がちょうどバックルで固定する位置と重なっているためだ。

何とかしたくても、これではシェルの加工もままならない。多くのブーツフィッターを悩ませてきた、この究極の課題に対して、サロモンが見出した答えは、シェルの設計そのものを大胆に変えること。バックルの最適な位置は? シェルの構造や厚みはどうか──細部まで検証を重ねた結果、ようやくたどり着いたのが、「S/PRO ALPHA」に搭載された新たなテクノロジー、「3Dインステップシェル」である。

足首をしっかりホールド それでいて圧迫感がない

それはどのようなテクノロジーなのか? 「3Dインステップシェル」を搭載した「S/PRO ALPHA」の特徴を、トッププレーヤーたちのコメントから検証していこう。

「かかとのホールド感がすごい」というのは、その最上位モデル、「130」を履いた佐藤栄一の、ファーストインプレッションだ。

「足首に近いところがしっかりと締まる。だから滑っていて安心感がありますね。その割に、足の前のほうは少しスペース的にゆとりが感じられて、指がちゃんと使える。そんな印象です」

足首をしっかりホールドする。だからこそ、安心して自在に動ける。「S/PRO ALPHA」の最大の特徴は、まさにここにある。従来のブーツとの大きな違いは、前足部のバックルの配置。第2バックルをやや足首寄りに配置することで、第1バックルとの間隔を広げている。このことで、当たりが出やすい楔状骨付近の圧迫を軽減すると同時に、これまで難しかったこの部分のシェルの加工もしやすくなっているのだ。

さらに注目は、第2バックルの角度だ。従来のように下方向ではなく、かかとに向かって45度に配置することによって、しっかりと足首を締められる設計に。こうして、かかとを固定しながらも、甲を圧迫することなく、全体をより均一に包み込んでくれる、絶妙なホールド感を実現したのである。

第2バックルの配置が大きく改良され、かかとがしっかりホールドされる設計に

3D INSTEP SHELL

 3D インステップシェル

第2バックルの配置を、従来のモデルよりも足首寄りに移動し、なおかつ角度をかかとに向かって45度に配置。このことで、足の甲にかかるストレスを減らしながらも、しっかりと足首をロホールドできる構造に

CUSTOM
SHELLHD

 カスタムシェル HD

店頭でのわずか10分ほどの熱成型で、シェルを自分の足型に合わせられるテクノロジー

CUSTOM
TONGUE

カスタムタング

タングをインナーから完全に取り外せる構造にすることで、タングの加工も容易に

MY CUSTOM
FIT4D

マイカスタムフィット 4D

インナーブーツも、熱成型により足にしっかりとフィットさせることが可能に

どこまでもカスタマイズ 究極のフィット感

快適さを生み出すテクノロジーは、これだけにとどまらない。

インナーには、足に合わせて熱成型が可能な「マイカスタムフィット4D」を採用。くるぶし付近には、熱で変形しやすいタリンという特殊な素材を使い、より足の形にフィットしやすくしている。またタングも取り外しが可能で、甲の部分の厚みを8ミリの幅の中で自在に調整することができる。3Dインステップシェルとの相乗効果によって、甲にかかるプレッシャーを、いっそう軽減できるというわけだ。

そしてシェルには、熱成型で足型に合わせることが可能な「カスタムシェルHD」を採用。「S/PRO ALPHA」の「130」および「120」には、こういったサロモンならではの究極のカスタマイズ・テクノロジーが、まさに〝全部盛り〟になっているのである。

コブでのレスポンスが抜群 大会でも十分、勝負できる

加えて、シェルを完全に分解可能にするなど、チューンナップしやすい設計も、「S/PRO ALPHA」の特徴。このカスタマイズ性を極めた最新ブーツの魅力について、「履き心地のよさが秀逸」と評するのは、ナショナルデモンストレーターの石田俊介だ。

「一言でいうと、履いていて楽なんです。圧迫感が全くなくて。それでいて足首が安定するからポジショニングもしやすい。今年は僕自身、思い切って技術選でも、このブーツを履いてみようと思っています」

通常、選手が大会で用いるのはレースモデルの「S/RACE」。しかしコブの種目だけは、この「S/PRO ALPHA」で臨むことを、石田俊介は考えているのだ。

「このブーツがコブで使えると思ったのは、コブの処理がしやすいからなんです。僕のような長身の選手にとって、ブーツのレスポンスってものすごく大事で。というのも、コブは早く処理したり、早く動かないといけないけど、背が高い分どうしても遅れがちになるんです。そこをカバーするには、この軽さと柔らかさは使える。すごく楽しみですね」

いいブーツに出合うと、人はチャレンジしたくなる。フィットするブーツは、スキーヤーのパフォーマンスを無限に広げ、挑戦する気持ちをかきたててくれるのである。

ストレスを一切感じさせない。楽に動けてスキーヤーを解き放つブーツ

S/PRO
ALPHA130

エスプロ アルファ 130

¥99,000(税込)
サイズ(cm)=24/24.5〜28/28.5
ラスト(mm)=98/104
フレックス=130
重量(g)=1850(1/2ペア、26.5cm)
カラー=レースブルー×ホワイト
※Grip Walk PADが同梱される

写真:渡辺智宏(スタジオ)、黒崎雅久(雪上) / 文:佐藤あゆ美 / 撮影協力:菅平高原スノーリゾート