第60回大会もいよいよ最終日。この日も晴天で迎えられ、スーパーファイナルの「大回り・急斜面・ハードパック」、「フリー・急斜面・ハードパック」、「小回り・フリー・急斜面・ハードパック」、「小回り・急斜面・不整地」の4種目と、男女上位3人によるウィニングマッチ「フリー・急斜面・ハードパック」が行なわれた。
男子は、前日に行なわれた決勝のコブ種目で火がついた王者・武田竜(北海道)が本領を発揮。この日も安定感のある滑りで280点超え得点を連発させ、得意の「小回り・フリー」では種目1位の284点を獲得。ウィニングマッチでは今大会イチの切れ味と構成の巧みさを見せ、289点の大会最高得点でみごと男子史上初の総合4連覇を達成した。
試合後は「黒菱(決勝)のコブで勝負に出ていなかったらこの場所には立てていなかったと思う。インスペクションもしていなかったし練習で一本も滑っていないラインだったけれど、そこをいかないと無理なんだろうなって思って最後は気合いでいった」と勝負を分けたポイントを振り返った。
前夜のビブドローで優勝宣言をしていた奥村駿(京都府)は「大回り」と「フリー」の2種目で痛恨のミス。両種目とも中盤までは鋭い滑りを見せていただけに悔やまれる結果となった。それでも大躍進の総合2位という結果に「悔しいけど、アルペン時代からそのすごさを知っている〝武田竜〟に挑めたことが、竜さんの相手になれたことがよかった」と話した。
総合3位は、彗星のごとく現れた18歳の川上勇貴(群馬県)。高校生で初出場ながら予選1日目からトップ選手たちを相手に堂々と全13種目を戦い抜いた。「今日はあまりいい滑りができなかった」と話したが、整地の3種目、そしてウサギ平のコブを果敢に攻めた。4月から大学に進学するというニューヒーローはこれから一体どんなスキーヤーになっていくのだろうか。
混戦の女子戦線を制したのは、22歳の渡邊渚(新潟県)。予選1日目には、転倒によりトップから20ポイント近くビハインドを負ったが、その後に切れ味鋭い滑りで猛烈な追い上げを見せ、この日の「小回り・フリー」では勝敗を決定づける287点をたたき出した。結局全13種目中8種目で種目トップを獲得し、大逆転で初優勝を飾った。
また、スーパーファイナルのコブ種目で284点(種目1位)、ウィニングマッチの「フリー」で鋭角なターンを入りを見せて種目トップの285点をマークした神谷来美(北海道)が、オガサカチームの先輩・春原優衣をかわして総合2位に躍進。春原も最後まで伸びやかな滑りを見せ表彰台復帰となる総合3位に入った。
最後に、5回の技術選優勝を誇る日本最高のデモンストレーター・丸山貴雄(長野県)が、ウサギ平のコブ斜面で現役ラストランを滑り、詰めかけたスキーヤーに引退の挨拶。今大会でも総合6位とまだまだ続けられそうな姿を惜しまれつつ、これまで支え続けたファンに感謝の言葉を伝えた。
若手の台頭やレジェンドの引退など、新たな時代への節目となりそうな第60回大会の詳しいレポートは、4/10発売・月刊スキーグラフィック5月号に掲載されるのでお楽しみに!
技術選 CHANNEL TOP
Copyright©Geibunsha All Rights Reserved.