昨年、コロナ禍の影響で中止となった全日本技術選が、新潟県の苗場スキー場に会場を移し、2年ぶりに開幕しました。時折小雨が降るなかで行なわれた競技の模様を写真とともに振り返ります。
初日である3月5日は整地種目の「大回り・急斜面・整地・ナチュラル含む」と「小回り・中急斜面・整地・ナチュラル含む」の予選2種目が行なわれ、前回大会のチャンピオンである武田竜選手(北海道)と、前回大会で総合3位の春原優衣選手(長野県)が暫定の総合1位につけています。
大回り種目で使用されたコースは、苗場スキー場屈指の難易度を誇る「男子リーゼンコース」。
難しい雪面コンディションに対応しきれずミスをする選手が続出するなか、92.6点を叩き出し種目別1位をマークした武田竜選手は、抜群の安定感で大きなミスなくゴールしました。
武田選手のあとには、見事なコース取りと高い技術力を披露した井山敬介選手(北海道)が92.4点で種目別2位、成長著しい期待の若手・山野井全選手(北海道)が91.6点で種目別3位につけています。
女子は、大回り・小回りとも好調ぶりが伺える春原優衣選手が92.0点で種目別1位。
春原選手のあとには大場朱莉選手(宮城県)と、MDVチームの若手・渡邊岬選手(新潟県)がともに91.6点をマークし、種目別で2位につけました。
小回り種目は、男子リーゼンコースの隣にある「ナチュラルバーン」で行なわれました。
難しい雪面コンディションのなか、ベテラン選手を差し置いて93.2点を叩き出し、種目別1位をマークしたのは須川尚樹選手(北海道)。
自身初となる種目別での1位に、須川選手は「コース条件、戦略、体のコンディションが上手く噛み合った」とコメントをしています。
須川選手のあとには、武田竜選手と佐藤栄一選手(新潟県)が同点の92.6点で2位、4位には抜群のスキーさばきとダイナミックなターンを披露し、92.4点を叩き出した高瀬慎一選手(富山県)が続いています。
そして女子は、4連覇がかかる栗山未来選手(新潟県)が軽やかなスキーさばきを披露し、91.6点で種目別の1位に。
栗山選手のあとには91.4点を叩き出した春原優衣選手と、総合でも2位につける大場朱莉選手が同点で2位に続きました。
大回り種目でミスを最小限にとどめ、難しいコースを攻略した選手が上位を占める結果となりました。
前回大会でも大いに会場を沸かした、実力派の選手が上位に名を連ねました。
今大会はベテラン実力派スキーヤーの安定感に加え、若手選手の躍進ぶりが目立つ傾向にあります。
そして明日は勝負の流れをガラリと変えかねない不整地種目と、総合滑降の予選2日目です。
流れを引き寄せるのは、どの選手なのか。予選2日目のダイジェスト記事にも乞うご期待!
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